家の中にいくつかの居場所があるといいですね

家づくりノウハウ

「居心地のいい空間だな」と気に入っている場所でも、慣れてくるとたまに別の場所で過ごしたくなるものです。そこまで考えて、いくつかの居場所をつくっておくことが、飽きのこない家づくりのコツです。

こんにちは。造居の小澤です。

仕事中に居場所を変えています
例えば、造居の事務所は自分で設計した空間だけに「居心地がいいな」と思って仕事をしています。でもやはり、同じ机と椅子で作業をしていると、飽きてきます。
そこで、お客様との打ち合わせに使うテーブルに移動すると、気持ちが切り替わります。デスクトップパソコンからノートパソコンに変えるだけでも、集中力が戻ってくるから不思議です。
また、造居の事務所は道に面しているため、夜に照明をつけて仕事をしていると道行く人と目が合ってしまいます。そのようなときはテーブルの反対側に移り、道に背を向けると、また仕事の気分になります。

「中間」の場所が大切な理由
同じように、皆様がご自宅で過ごすときにも、「ちょっと居場所を変えたい」ということがあるのではないでしょうか。そのようなとき、ふと移りたくなる場所をつくっておくことをおすすめします。
リビングやダイニング、書斎のほかに、ロフト、掘りごたつ、眺めのいいウッドデッキなどです。

「中間」も大事です。どういうことかと言うと、「ここは寝る部屋」「ここはテレビを見るところ」と決めすぎない中間的な場所のことです。
例えば、LDKの中にある作業机・カウンターや、階段を上がったところにつくるフリースペースのように、いろいろな用途に利活用できる場所です。
私は自宅の玄関で涼んだり、風通しがよい窓際に寝転んだりすることがあるのですが、これも場所の中間的な使い方です。
お子さまが小さいご家庭なら、家族そろってLDKで寝てみる「おうちキャンプ」もいいですね。

使わなくなる場所も、ムダではありません
ただ、話をひっくり返すようですが、中間的な場所にも飽きることはあります。家を建てるときに「ここで、くつろごう」と期待してつくっても、あまり使わなくなる時期は来ます。
しかし、それでも構いません。その場所に飽きて、別の場所が次のお気に入りになって…ということを繰り返すうちに、ぐるりと回って元の場所を新鮮に感じ、居場所にすることが珍しくありません。
人は移り気なもの。「家に使わない場所をつくってしまって、失敗だったな」と思わずに、長い目で見て暮らしを楽しめればよいと思います。